アトピー性皮膚炎
私の体験の話で恐縮ですが、春先の汗ばむ季節になると、左手の手の平から肘の内側までの皮膚が腫れだし痒くなり、寝ていると無意識のうちに掻いているのか朝起きると血だらけの状態が5、6年続いていました。
原因は、寝る時も時計をはめる習慣があり、金属アレルギーと診断され皮膚科で治療を受けていました。
医師の処方を受けてステロイド薬を出されますがその時は一瞬痒みや赤黒い腫れや爛れはとれるのですが塗り忘れると再発の繰り返しでした。
また、副作用も気になったことから治療は中断しました。
そこで西洋医学に頼らず自分で治す良い方法はないかと考え、経絡上のツボに針を刺し刺激すれば淀んだ血が動き出すのではないかと考えお灸も含めて治療してみました。
週一のペースで約2ヶ月、腫れや爛れが改善しないか自分自身治療して観察してみましたが、その範囲は1〜2割小さくなるも、あまり改善しませんでした。
鍼灸の中の治療法の一つである刺絡学会で学んだ「刺絡」療法を実践することにしました。
まず、左手の手の平から肘の内側までの皮膚が腫れ爛れた部分を専用の器具(バネ式三稜鍼)で1ミリ程度の深さに点状に刺し、出血させ吸い玉(ガラスカップ)を使って電動式自動吸引機のバキューマーにかけて引っ張る方法である刺絡抜缶法で3ヶ所程度吸引機にかけてみました。
すると、皮膚の表面に広がる赤黒い腫や爛れは、吸い玉に吸い寄せられ古い血や淀んだ血は排泄されるのかすぐに皮膚の色が肌色に戻り痒みが取れていきます。
血の循環(微小循環障害)が良くなったのか、週一回の治療を約半年続けることによって長年の金属アレルギーは、ほぼ完治しました。
アトピー性皮膚炎も、一部に金属アレルギーと同じ症状が見受けられます。
この刺絡抜缶法で血液の微小循環障害を取り除けば、ある程度はアトピー性皮膚炎の改善が見られると思います。
ただ、アレルゲンが特定できていない。あるいは、多すぎるため、アトピー性皮膚炎で苦しまれ、治療法が定まっていなくて苦しまれている患者さまは非常に多く、この5、6年、毎月3、4名はアトピー性皮膚炎の患者さんを治療しています。
初期の軽い症状の方はほぼ完治するも、重症の患者さんになると痒みや爛れた皮膚の範囲も広く、症状は寛解するも完治までいたっていないのが現状です。
完治するには、この刺絡も含めた鍼灸の全身治療や食事、運動、生活環境などを含め全身の体質改善に取り組んでいかなければなりません。
時間も治療費もかかり根気がいりますが、話合いによって良い解決策を見つけ少しでも良くなっていただけるよう日々努力しています。
症状が出る部分は患者様によって様々です。恥ずかしがらず、いつでもお気軽にご相談ください。